闘病日記

闘病のための日記です。一応、傷病名は自閉症スペクトラム障害、統合失調症となっております。精神障害者保健福祉手帳一級、障害年金受給者。毎日22時には更新したいと思っています。せっかちなのでもっと早く更新するかもしれません。

2020.10.12 終盤

多層式看守塔という窓のついた巨大な一本の柱のような建物から、円形の各牢屋が一望できる設計、その内面化こそが規律訓練であり、僕の住んでいる西区には、三階建のプレハブがある。正式名称は「xx市役所新庁舎整備事業事務所」である。その仮設事務所においては工事現場に指示を出したり、チェックしたりする(品質・工程・安全・環境・コストなど)施工管理者が働いている。しかし、その実は、バイオ技術者であり、工事を無事に完成させるというのはただの表面である。

それは僕が昨日の日が落ちてからフード付きのパーカーで犬の散歩をしていたところ、僕がフードを顔を全面覆うようにして被り、等間隔の電灯の光だけが見えるようになった時、「記号と機械」の権力の根源にあるように、身体、表面、光、眼差しが一気に分配されて、それは所謂、視界ジャックという現象に転換されて、視覚と聴覚を盗用するという能力が自らに起こったのである。そこであのプレハブの事務所は、実務的に何をしているか、そう、なんの近縁と言ったらいいのか、“ナワル”という生物の生産を行なっていたのである。そこでは、施工管理者は、始祖民族というべきものになる。

そして僕は今日、西区にあるほんの数歩で到着する、そのプレハブの事務所に直接赴いてみることにした。総合政策課に電話を掛け、“大学生の自己課題としての見聞”という立場を持ってして、アポイントメントを取ってもらい、即刻当日行っていいことになった。

片開きの伸縮門扉は開いており、僕は階段を上がり、xxJV事務所と書かれた部屋に入った。この建物には50人超の多数の作業員が働いているらしい。管理技術者、副作業所長である一級建築士、一級建築施工管理技士の資格を持つ男性である人物が、僕と対応した。期限の切れた学生証を見せる。

「指示して、現場見て、ああ、大丈夫だね、とか、そういう確認をする」と、そう男は説明をする。

しかし、このプレハブの建物の中には獣というべき生物が蠢いていることを僕は知っていた。視界ジャックを使う。「奇跡とは訂正である。創造もせず、何も変えない。ただ、惨状を見せ、見ているものが誤りだと心に思い起こさせる。私は奇跡を起こすために、ここに従事している。これは神性を生きたものにしかわからない。アセンデッドマスターであるセント・ジャーメインからのメッセージだ。君は見破ったのか」僕は心の中を覗き見られているようで戦慄した。
「xx大って理工学部はないんだ?」と軽快に話を振ってくる。
「ああ、えっと、そうですね、教育と経済とかになって…」
「ああ、そっちなんだ。理工系はないんだ」
「そうですね、今の所、理工系はないですね」
相手は半笑いしながら「だから、理工系ないからさ、珍しいな、と思って。よくさ、ほらxx高専とかさ、あとxx大学校とかなんかあんじゃん、あれは来たん、現場に。見学さしてくださいって来たんだけど、あれそういえばxx大って文系だよなと思って」

話は終了する。僕はとぼとぼ家に帰る。「君は見破ったのか」という支配的な意味に侵入されていた。だがそれとの断絶は自己を打ち立てることでしかない。記憶の混乱、迷妄から………そして迷妄は怒りから。怒りは所有という慢心から。そして破滅、それは知性の喪失から。「どうすればいい」と僕は放心状態になっていた。桜の木を見た。里親がいる。それは咲かない。桜の木だと一瞥した限りは気づかない。だが、それはいずれ開花する。桜として。過去世にて蓄積され、これから実を結ぶ………サンチタ・カルマ。「何を見せようとしているのだ?」

それから僕は監視の内面化、規律訓練からはみ出た異邦人を保護するシスター・クレアのいる教会に赴いた。クレアは「今日は緑の生き物や、緑色を発見できたらラッキー」と言う。生き物というところでバイオテクノロジーを想起した僕は吐き気を催す。そして緑色は僕のような狂人を制度の中に解放する制度分析を思い起こさせる。緑の中にある18ヘクタールの城館、100以上の病床。廊下の間の坪庭。過去の記憶。「頼む、誰か助けてくれ。もう誰でもいい。シスター・クレア………」ナワルの侵襲、惨状を見せにくる………見破った俺はどうしたらいい。助けて………助けてくれ………。