闘病日記

闘病のための日記です。一応、傷病名は自閉症スペクトラム障害、統合失調症となっております。精神障害者保健福祉手帳一級、障害年金受給者。毎日22時には更新したいと思っています。せっかちなのでもっと早く更新するかもしれません。

2020.10.09

例えば、この診療情報という中身を見る。これが僕であると人々が規定する。それは何らかの成分となり、それが溶け出した中身=僕は未だ存在する。だが、いかなる理由によってか、壊れ切った僕から排出されたそれは“殻錠”となる。
今話しているのは中身か、殻錠か、その混交か………。
殻錠は喋る。しかし、それは明らかに中身とは調子が違う。殻錠は、自動送信的な体裁をなす。それは全くもって、陽気で、恬然として恥じることなく、自意識を持たず、恐ろしいほどに不動な姿形である。ところで、殻錠とはただの防衛機制ではないのか、そんなことを誰かが言うかもしれない………が、とにかく殻錠は顧みず喋らなければならない。殻錠は時には臥位になり肝臓に血液を行き渡らせる。そして、殻錠は時に立位になり、緩慢に歩く。トイレで用を足す。そして殻錠はついには足早に歩くのかもしれない。運動時の主なエネルギー源はグリコーゲンである。それは肝臓から供給される。肝機能が低下していると、グリコーゲンが不足し、今度はタンパク質をエネルギーとして使うようになる、すると筋力減少、更にはサルコペニアになることがあり、またまた身体機能を崩す。殻錠はそういう知識を、本で学ぶことができる。そして力まず、それを発信することができるようだ。毎回言うように、“自動送信的”に。そして今頭に思い浮かんだこと、中身の方は多分、怒り狂っているのではないか、ということ。そして、これは間違いない、膨大な恐怖感に脅かされているということ。今この文章を書いている僕(中身)は殻錠になることはできない。いや、できるが、したくないと言った方が正しいだろうか。殻錠は言ってみればバケツのような感じかもしれない。円筒状で、物が入っていても、いなくてもそれはバケツだ。容器の中の空っぽの空気、も含めてバケツはバケツだ。殻錠もそのようなものかもしれない。

 

診療情報提供書
xx病院
精神科 外来担当先生 殿
紹介元医療機関の所在地 xxx-xxxx xxxxxxxx

患者氏名 xxxxxx 様

1.傷病名 ASD統合失調症疑い

2.紹介目的
お世話になります。
今回、当院通院中の患者様より貴院への転院の希望がありました。
ご多忙とは思いますが、今度のご加療よろしくお願いいたします。
3.既住歴及び家族歴
4.症状経過及び検査結果
これまでの治療歴は当院退院サマリー、他院からの紹介状などを参照にしてください。
おもな治療歴としては、東京国分寺心療内科、xxメンタルクリニック宿院、xxメンタルクリニック、xx病院などで、当院にはR2.2.20.急性薬物中毒でxx病院救急受診し当院紹介となっています。
R2.2.29-R2.3.10.入院加療を行い、その後は外来通院をしていました。
自宅では生活が乱れがちであり、抑うつ状態が続いております。時に市販薬を大量服薬し貴院を受診しています。
本人は心理カウンセリングを受けたいとの希望がありましたが、当院心理士との面談でカウンセリングは妥当ではないとの判断になっています。その後、貴院への転院の希望がありました。
5.現在の処方-

退院サマリー(第1回目入院)
氏名 xxxxxx
診断、自閉症スペクトラム障害、 ICDコード F84
合併症 - 禁忌・アレルギー -
転帰 治癒・○軽快・不変・死亡
○当院通院・転院(入院・外来)・施設入所

幼少時から中学時には友人もおり自閉的な面は目立たなかった。中学時に他の生徒と学校のコンセントにシャープペンシルを芯を挟み込むというイタズラして学校から注意を受けた事をキッカケに学校に不登校となった。
高校は宇都宮にあるxx学院に通ったが、結局1ヶ月で中退している。その後大学入学を目指し、東京の予備校に通い高卒認定資格を取得し大学に進学した。大学入学後は寮に入り生活していたが、不眠、不安感、自傷行為などがみられ警察に保護されることが2回あった。そのためH28.5.東京国分寺市心療内科を受診。混乱した状態だったため主治医より実家に戻り治療するように勧められ 28.7.よりxxメンタルクリニックに通院している。
その後は短期間アルバイトをすることもあったが、障害年金をもらうようになってからはバイトはしていない。
自宅では昼夜逆転の生活を送ったり、日中から飲酒するなど生活が乱れがちであった。東京に出かけ飲酒し酔っ払い器物損壊で警察に拘留されたこともあった。それでも好きな音楽グループのコンサートに出かけたり、家人と映画を見に行くようなことはしていた。
R2.2.になり特に誘因なく抑うつ的となった。不眠、希死念慮を訴えるようにもなり、みずからネットで購入した薬(内容不明)を2.17.大量服薬、そのため体調不良となりxx病院救急を受診している。同院により当院紹介され当院受診、本人自ら入院を希望、2.29.任意入院となった。
H29.6.当院で心理検査、WAIS-III 言語性IQ88、動作性IQ62、全IQ72。
入院後状態は早期に安定。抑うつ的な面は早期に改善、他患者との交流もみられるようになった。夜間の睡眠や朝の覚醒も良好になっていった。病棟内での生活には支障がなくなり、患者から退院の希望があったことから3.10.退院となった。

 

RORSCHACH TEST所見

外来 xxxxxx様 平成29年6月13日施行 22歳

〈Summary Scoring〉
R=10 Fail=1/IX RT=64,3秒 初発反応=10,6秒
初発反応(N.C)=9,2秒 初発反応(C.C)=12,3秒 Most Delayed Card=III/25秒
W:D=7:2 W%=70% Dd%=10% S%=0% W:M=7:5 M:ΣC=5:2,5
FM+m:Fc+c+C`=1:2 V III〜X/R=20% FC:CF+C=0:2 FC+CF+C:Fc+c+C`=1:2,5
M:FM=5:1 F %=10% ΣF %=90% F+%=100 % ΣF+%=44%
R+%=40% H%=40% A%=50% At%=0% P=3(30%)CR=3 DR=5
〈印象等〉
淡々と抑揚なく話し、独特な言葉遣いが目立つ。不適切な言い方に気付き、後から訂正することが数回みられているため、常識的なところに気付く力はあるようだ。(ex.II「ふたりのブタ→2匹のブタ)。IXで反応失敗、カード回転はみられなかった。
〈本テストから〉
総反応数は10と少なく、抑うつ的、また、情緒不安定である(II↓)注察感が非常に強く、自意識過剰で、空想的傾向が窺える(I初発「巨大な目」、H%=40%、M=50%)。想像力に欠け、主観的歪曲が非常に強いため、整合性が低くなっている人である(R=10,F%=10%)。統合力は一応あるが、歪曲した主観で処理しようと努力するため、結果的に不適応となるようだ。(X「生物がたくさんひとつの枠組みに収まっている→昔Ptが描いていた絵」)。情緒統制が弱く、情緒の揺れが行動に表れ易い人である(FC:CF+C=0:2)。また、物事を衝動的に捉える傾向がある(言い回し目立つ)。経済的な面や性的適応が不十分であり、性的葛藤が顕著である(IVショック,II↓)そのため、女性への関心はあるが、性不安が強く、悩んでいると思われる(IVショック)。また、母との関係性に何か問題があるかもしれない(VI「母親の様な感じ」)。
情緒が揺れず、しっかりとした枠組みがある場では、落ち着くことができ、一般的に適応が可能である(I,V,VII:P)。本来は、積極的に自己主張し、自発的に活動できる人かもしれない(VII「子ども:遊んでいる」)。
対人面では、対人緊張が強い人である(W%=70%)。人との接触に消極的で、関係を築こうとしてもうまくいかず、築いたとしても疎遠になってしまうと思われる(II「2匹のブタが手を合わせていて、赤いものによって引き裂かれている」)。
感情面では、情緒刺激が非常に苦手だが、触れようとする努力は認められる人である。(IX:Fail だが感想を伝えられている)。情緒刺激を空想的に切り抜けようとするもうまくいかず、情緒の揺れが大きくなると、不適応行動に走る傾向が窺える(VIII↓, IX:Fail)。情緒的に一度混乱すると長引き、適応能力を欠いていく人と思われる(II∓,III-)。
〈総合〉
主観的歪曲が非常に強い人である。「監視」、「すべてが終わる」など病的と取れる反応が度々みられているが、それらを「そのような感じ」として説明することができている。そもそも独特な視点で物事を捉えるタイプであり、経験と共に深まり、歪曲が激しくなった人と思われる。
〈WAIS-III,SCT,Rorより〉
言葉遣いの不自然さ、協調性や想像力の乏しさ、暗黙の了解の苦手さ、衝動性の高さからASDが指摘される。加えて、WAIS,SCTより不注意傾向が顕著で、多動の過去があったため、ADHDの合併も疑われる。整合性に欠け、一見すると、S様の発言が多いが、ASDによる独特の思考が強迫性の慢性化により徐々に歪曲したものと思われる。空想的なくらいにも歪曲しており、日常生活での修正も難しいタイプのため、今後も更なる歪曲が予測される。カウンセリングで内省を深めるのは、現状では危険と考えられるので、まずは強迫的な部分の緩和や発達障害を扱う専門機関で情緒耐性を付けたり、思考の歪曲の自覚や空想的な部分の修正が求められるケースと思われる。 テスターxx

 

RORSCHACH TEST所見

外来 xxxxxx様 令和2年6月12日施行 25歳

〈Summary Scoring〉
R=16 Fail=0 RT=1分30秒 初発反応=8,7秒 初発反応(N.C)=3,6秒
初発反応(C.C)=13,8秒 Most Delayed=III30秒 W:D=13:3 W%=81%
Dd%=0% S%=0% W:M=13:0,5 M:ΣC=0,5:5 FM+m:Fc+c+C`=5,5:2,5
VIII〜X/R=25% FC:CF+C=0:4 FC+CF+C:Fc+c+C`=2:2,5
M:FM=0,5:2,5 F%=32% ΣF%=75% F+%=20%
R+%=31% H%=32% A%=25% P=3(19%)CR=8 DR=9

〈本テストから窺われる状態・状態像《H29/6/13と比較して》〉
今回、予めASDで主観的に話す人の場合を想定し、主観的な印象の話に流れた時に具体的に話すように声掛けしたが、観念的で病的に作話的な話になる流れは変わらなかった。前回(29.6)も反応水準は低く、要求水準ばかり高く、観念的になり具体的に話さない人で(W↑D↓)、適応的に反応出来ない面は変わらないが、以前は自身の反応を基準が分からないなりに観察して、正解が分からなくてもThを意識して修正する動きがあったが、今回は、前回より内的に不安定になり(M↓)、観察自我の働きが窺えず、どんな場面においても自分の内世界を話そうとし、辻褄が合わなくなっても違和感を感じていない様子が見られ、自我機能の低下、思考力や理解力の低下が窺える。最初は公共的な視点から見始めても、すぐに主観的になり反応は崩れていく。「III:ハートを共有してた人達が悪魔的なものを作って離れていく→タツノオトシゴ。形がタツノオトシゴで。屋上から飛び降りてる2人」「V:僕。蝶の羽が包んでくれそう」「IV:父親。男性器や権力に見えて自分を脅かす存在→原子爆弾。溶解された残りかすで」「VIII:トカゲが草を食べてる→僕の臓器。そう見えるから」「VI:ギター→女性器に男性器が突っ込んでる→シャーペンをコンセントに突っ込んで過電流が流れる」「IX:ユリ科の花と脳みその静脈があり僕が支えている」「X:楽園。触れ合っているから。カエル、蛹、芋虫とかで僕は入れない。」
以上、最初は外刺激の特徴で説明し自身の感じた印象や主観が入るが、すぐに作話的になる。内界の対人関係の不安や性への関心と自己不安、威圧的な存在への不安が刺激される為だが、自閉的な作話結合反応、混交反応、抑制の外れた性反応等出して違和感が無い為、Pt自身が反応の不適切さを判断出来ない面を考慮しても統合失調症に移行してきた状態が疑われる。適切に反応できず考え込む事に親和的で違和感が無く観察自我も弱いので、自身の客観的な理解は難しく外刺激を減らしても病的主観は残りそうだが、環境刺激を減らすことで病的な主観に囚われた言動は軽減すると思われる。また、考えないで周りと関われる状況が作れると自己不安も軽減する様に窺われる。 テスターxx