闘病日記

闘病のための日記です。一応、傷病名は自閉症スペクトラム障害、統合失調症となっております。精神障害者保健福祉手帳一級、障害年金受給者。毎日22時には更新したいと思っています。せっかちなのでもっと早く更新するかもしれません。

2021.02.26

雨野「生きるってことは、離別の繰り返しにおいて、それによってリビドー備給…」
芒原「待って、難しい言葉を使うな。お前はいつもハンドブックを片手に喋っているみたいになる、リビドー備給がなんだって?」
雨野「リビドーの貯留。心的エネルギーがある対象に蓄えられるってことね」
芒原「それは離別によって起こると?それはお前の考え方でいいんだな?」
雨野「そう、それによって個性化の進歩を遂げるように思うのね」
芒原「じゃあ、まず集団がなければならず、人生とは離別によって、その集団に対するエネルギーが、まあ、とこで話は止まっているが、ある種、その心的エネルギーは転移されなければいけないものだよね」
雨野「まあ、そういうこと、離別や死別、もはや確実に会わないであろう人、そういう人を持たされるのよ、だけどそれは正常の悲哀だと思うのね」
芒原「俺は嫌だけどな、そんな、自分の対象喪失体験を昇華させるために、作品を作るなんて」
雨野「まあ、そこは両義的だと思うのね、離別したいし、離別したくない、もし離別するならば完全に離別したい。でなければ、観念上のイメージが怨念の化身となってね、どこかの精神科医の本で読んだわ」
芒原「論争や討論は要は解決しようと思えば解決できる問題だと思うんだけどな。要はみんな陶酔したいんだろ、自分に酔いたいんだろ。ドストエフスキーとか、安部公房とか読んでれば、全てを許せるけどな」
雨野「幸せの鍵と、侵略される世界、どっちが興味ある?」
芒原「侵略される世界」
雨野「相互的な心理的脆弱性…それは強迫的となり、完璧、確実性を求めるようになる。カテゴリーエラー、つまりは白い木綿のハンカチがデズデモーナの不貞の記号であるようにね」
芒原「また、難しい話をするなあ、俺はお前に相談したわけだが、もう正直どうでもよくなってるんだ。一発で死ねる経口投与できる薄い錠剤があれば飲みたいもんだ。……ああ、嘘だろ、まだやり残したことがあるだろ?」
雨野「それは何?」
芒原「それは何回も言っているから言いたくない。だが俺にはもう何が正解なのかはわからない。悪意はないということだけはみんなに言いたい。あとはオブローモフシチチだ。もう何もしたくない。当分何もしたくない」
雨野「要は、私はあなたが何をしたいか知っているけど、パトス、小説的パトスを持ちたいってことでしょう」
芒原「そうだろう」
雨野「自閉症が故のアンガジュマン」
芒原「その通り。個性化された言語意識。それは相関概念でなくてはならないと思うのね。要はふたつの個性化された言語意識、お前と俺が今やっていることだ」
雨野「私からの離別は必要でしょうか。それによって書くことが妨げられていない?」
芒原「それはない…けど、あるとも言えないし、離別はなんで起こるんだろうという議論は極めて、俺にとっては私的なものだ」
雨野「独立性と純粋性を贈与する。関係性があるうちは。しかし、決別したとする。それは独立性と純粋性をより際立たせることになるのならば、私はいなくなった方がいいのでしょうね」
芒原「そうかもしれないな。だから今日来たのか?」
雨野「そうよ」
芒腹「じゃあいなくなってくれ。だがまた来てくれ。そういう関係性を俺は望む。失敗なんて誰でもする。じゃあな」
雨野「バイバイ、また来るね」