闘病日記

闘病のための日記です。一応、傷病名は自閉症スペクトラム障害、統合失調症となっております。精神障害者保健福祉手帳一級、障害年金受給者。毎日22時には更新したいと思っています。せっかちなのでもっと早く更新するかもしれません。

2020.08.13

早朝4時半頃帰宅。開店前に友人一人と栃木街道のラーメン二郎に行く。そのあと、自宅で風呂入ってから、別の友達も加え、午後ショッピングに行く。ゲオに行くと、マキシブーストとブレア・ウィッチとじんるいのみなさまへを買う。じんるいのみなさまへは雰囲気が好きだったからジャケ買い。夜、灯すも欲しかったけど品切れだった。これも雰囲気だった。こんなゲーム買うつもりなかったんだけど、ブレア・ウィッチの特典のクリアファイルにゲーム三本入れて、それを抱えながら居酒屋へ。そういえば、ゾラの居酒屋は読んでいない。資本主義社会が形成された時代の「退化」や「変質」を労働者層に具現化して描いたとされるゾラのルーゴン=マッカール叢書はいつか読んでみたい作品である。また旧友のいる居酒屋へ梯子する。旧友の店長はタブレットを持ってきて、画面に表示されるおっさんをタッチして(何回でもいい)をして、外れだったら、怒るおじさんが登場して、チャミスルという13%の韓国焼酎をショットする。焼酎というより、果実酒のような味がする。
そんなゲームでみんなアルコールが回って、醸成されてきて、そういう周期を自明性として共有、ここのところの話だが、していた僕らはまた店長連れて四日前に行ったばかりだが、またキャバクラに行くという流れになる。
ゲーム三本抱え込んでいた僕は、別に興味もないだろうが、なんですかこれと仕切りに聞いてくるから、一番インパクトのあったブレア・ウィッチについて無理がないよう何回も映画と交えて説明する。
なんでキャバクラをやろうと思ったんですかと聞くと「人が潔癖だけど、でも話すのが好きだから」
しばらく時間が経ち、「知ってる?誰一人名乗っていないことに誰か気づいて」
「誰も名乗ってもいないし、聞こうともしない」と1人の友人が笑いながら言った。それに対し、女の子が「噂のかなちゃんです」と言った。「はい、どうぞ」と僕の番が来たので友人の1人が俺の本名を言ったから「いえ、違います」とそれを打ち消し、自分の本名は口外せず、恬として恥じずに傲慢さの少し含んだような声調で「「“固有名”です」と言った。「お前固有名だったの?」と友人が言う「固有名?じゃあ固有名1、2、3、4?」とキャバ嬢。「ちなみに一般名詞ではなく、固有名です」と僕は補足し、「固有名だけお願いgogle検索で調べさせてもらっていい?」とキャバ嬢。「俺お前と何十年もいるけど、固有名だったの?」と友人。「俺たち固有名」と俺。「ああ、もう固有名になっちゃんったんだ」とキャバ嬢。「とりあえずみんな固有名ってことで乾杯する?」と天井まで届くような底抜けに陽気なキャバ嬢が言う。女の子が度々代わり、
「なんでファイルなんて持ってるんですか?」と毎回聞いてくるから、「今日ゲーム買った」とぞんざいに返す。別の女が隣に来る。「何か飲みます?」と聞く。「いいんですか?お願いしまーーす」とそこに生ずる利他性はどことなく豊かなものがあるな、と思った。俺のiPhoneの裏に貼ってある少女がエディブル・フラワーを食べているステッカーを見て、「アニメ好きなんですか?」と聞いて来る。
「私はあの花が好き」
「ああ、めんま
「そう、めんまちょーかわいい、私めんまみたいな子になりたいもん」
「死んでるじゃないですか」
「違う違うそっちを拾わないで!」
「死にたいんだ」
「違う違う違う」「生きてたいけど、いただきまーす」と女はウーロンハイを飲む。
「死んでください」
「なんでそう言うこと言うのヤダア」
「死んで、亡骸に土をかけてあげますから………」

………

「アニメ、何が好きなんですか?人、絵、内容」と女。
「僕、小説家なんで内容」と虚言を吐く。
「小説家なんですか?びっくりです」その時中折れハットをかぶっていたし、金縁の丸メガネという体裁でおおよそ顔に変化がないタイプの人間で、自分を醜男だと思っている僕にはもはや言葉しかないので、自分を取り繕うために嘘をつき、原信憑を与え続ける。
「え、すごーい、何書いてるんですか?」と女。
「またキャバクラかって書きます」
「どう言うことどう言うことどう言うこと?」
「キャバクラに行った話を書きます」
「えー見たい、見ないほうがいいかなあ」
「どうだろ、僕ちょっと患ってるんで」
「何をですか?」
「精神病です精神病」
「ふーーん」
「だから見ないほうがいいかも」
「でも私全然見れちゃうかも、じゃあ言葉詳しい人だ」
「詳しいですなんでも聞いてください、なんか話あったら聞かせてください」
「難しいフリ来たなあ、え、逆に聞きたい、言葉強い人に聞くことじゃないかもしれないけど好きな言葉は?って聞かれたらなんて答えますか?」
「妄執です」と間隙を入れずに即答した。自分でもなんでその言葉が出て来たのかわからなかった。
「どういう意味ですか?」
「簡単に言えば、取り止めとなく妄想が現れているけど執念を手放さない人です」
「良い意味であると思えばそうだし、悪い意味だと思えばそうです」
「私、性格が悪いのかわからないけど悪い意味で捉えちゃった」
「思考には先験的に肯定性と有意義性があるんです」
「へー、それって良い意味なのかなー、へー」
「だから、全員が自分のままであっていいんです」
「めちゃめちゃいい言葉じゃん」
「まあ僕こういう場に来ると言葉とか忘れちゃうんですけど」
「へー、全然忘れてる感じしないですよ今、淡々と喋ってくれてる」
「なんか僕は友達に連れられてこの場に来ましたけど、一番難しい人間でありたいなとは思います」
「え、それって一歩近付き難いって思われて嫌な気分にならないんですか」
「それでいいんです」
「ええ、なんで意外ー、私ビビっちゃう、そうなるのが、そういう存在になりたいって思うけど、ビビってできない存在」
「わかられたいですか?わかられたくないですか?」
「わかられたい、けどわかられたって言ってうまく手のひらで転がされた感じにはなりたくない、だからわがまま」
「いいんですよそれで」
「いいの?なんか人生相談みたいになっちゃってる、本気の悩み言ったよね私」と笑う。
「僕カウンセラーの資格持ってるんで、心理カウンセラーなんで」と俺はまたもや虚言を吐く。
「人間簡単じゃないですか、そんなん言ったら」
「簡単というか、一歩引いて見てますからね」
「ああ、そうなりたい、けど一歩引いて見れない、一歩引いて見たらなんか悪いところしか見えなさそうな気がして怖くなる」
「それはいいじゃないですか、それは性質ですよ、例えば、あなたに似てる人っています?」
「いますね、自分の友達で私っぽいなって人はいます」
「どんどんその友達に似せてください、自分を徹底的に偽装するんです、そしてある時、切断をする、そしてそれが特異性と呼ばれるもので、それがあなたです」
「似てる部分は悪い部分だとしても?」
「悪い部分だとしても真似するんです」
「その度胸がない」
「まあ戦争を経験していない人たちはみんな平々凡々としているように見えるけど、昔は戦争で医者も患者も外に出て、生きるために、食べるために、一緒になって食料の時給を測った、病院のベッドから出る理由を与えられた、つまり、自閉的生活から社会的生活への転換です。それが制度論的精神療法というものに繋がったんですけど、それは役割という自分をわかっていくということの過程でもあるんです、今は戦争とかないじゃないですか、自分の方向尺度を見失っている。資本論共産党宣言を読み、戦後の学生運動がなぜ失敗したのかを熟考し、憲法、刑法、刑事訴訟法について学び、僕は市民革命が一度も起こっていないこの日本で革命を起こす、その時、血が流れる、その血とは、涙です」