闘病日記

闘病のための日記です。一応、傷病名は自閉症スペクトラム障害、統合失調症となっております。精神障害者保健福祉手帳一級、障害年金受給者。毎日22時には更新したいと思っています。せっかちなのでもっと早く更新するかもしれません。

2020.07.17

戦友(または敵とでも言うべきもの)そして趣味の共有ができる友達がいる限り、僕は酒を飲み続けるだろう。それは協奏曲をこね回すようでもあり、鍵盤を叩き、階段を降りてくる足音に耳をそばだてる一人きりのジャン・クリストフのようでもある。
今日は、9時半に起き、希死念慮をずっと抱きながら、ひどく陰鬱な気分が続き、実質的に死んでしまいたいと思い、不格好な異臭のする肉塊のように、ずっと病床に伏していた。情報に対してずっと傘をさしていたかった。そもそも傘をさす気力もなかった。これを低気圧だとか、そういう風にはしたくなかったが、雨という散水はやがては泉という上昇を持つ、などということも考えたくもなかった。本当に死んでしまいたかった。
好きなものを語ってくれる人ほど崇高な人はいない、という私的な理由から僕はおそらく一番好きであろう、ジャン・クリストフという小説の再読を始めた。僕はその分厚い四冊の文庫本を一度は読んだが、それを語らなくてはならない。そういう脳髄を持たなければならない、と思った。一日に半分、それでも八日かかる。しかし、読むのもやはり辛かった。僕は通話サービス掲示板に、「アイドルアニメについてしゃべれる方いませんか」と書き込み、それを繰り返した。すると、やがて一人の女性からメッセージを受け、通話をした。懇切丁寧な方で、中二の頃からプリパラの筐体をやっていたという。プリチケは数知れないほどにあったが、筐体がプリチャンに移っている今はやっていないという。
“好きなこと”について滔々と語れる人は本当に、本当に素晴らしい。そして折よく質問してくる、最も適切なことを言えないかという自分への疑いという抵抗の印の拭えなかったが、それこそ動機付けとなり、恵の雨であり、それは泉となるものだった。僕は“好きなこと”について語ってくれる人が本当に、本当に大好きである。好きなキャラは、アロマゲドン、氷川姉妹、久川凪らしかった。僕は、底抜けに明るいキャラを上げ、一ノ瀬はじめ、風浦可符香、歳納京子、弦巻こころ、北上麗花、黄木あじみ、二階堂ゆず、冴草きい、紫藤める、上葉みあ、姫石らき、双海真美・亜美、野々村そらを上げた。オタクになり切れないオタクである僕は、オタクをやめたい思いもある彼女にはオタクをやめて欲しくなかった。本当に、“好きなこと”だけを語っていたい。

おう、楽しい思い出、慈悲深い面影、それは一生の間、美しい階調をたてる羽音のように響くであろう……。ジャン・クリストフ 一巻 55p

家族と食事を共にしたが、僕はつまらなさそうな表情をし、一言も喋らなかった。父親は「めんどくさい」と毒っ気を吐くばかりである。ジャン・クリストフの父親の家系、クラフト家は酒飲みであり、突飛の行動のその放縦さの原因はほぼほぼ酒からきているという。その、“血気の情”は僕らの家系にも似たところがあり、重ねて見てしまう。ジャン・クリストフは、父親を賛美していた。「それは子供のうちにある永遠の自愛という形をとっての強い欲求であり、自身の高慢心を満足させるには自分が弱いことを認める時、それを他の物に移す。それは子供の場合は両親で、人生に敗北した大人はその子供らの上に」と、ロマン・ロランは言う。そのように精神病学的かつ箴言的に、この書物は書かれている。